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モカ・コーヒーとは?
コーヒーの話をしていて、良く耳にする言葉が『モカが好き』『モカが嫌い』『モカの酸味が・・・』等々モカに関してはイロイロな意見が聞かれる。嗜好品と言うならば好みがあって当然であるが、まずは基本に振り返りモカをご説明します。 コーヒー味のチョコレートを“モカチョコレート”、同じくソフトクリームを“モカソフト”・・・と、コーヒーフレーバーを指す時「モカ」と表現することがあります。ご存知の通り、「モカ」とはコーヒー豆の種類のひとつですが、では、なぜ「ブラジル」でも「コロンビア」でもなく「モカ」なのでしょう?今回の主役となるビーンズはその「モカ」。コーヒーの代名詞とも言える豆の故郷、それは、“コーヒーの故郷”でもあるのです。 「モカ」と呼ばれるコーヒーは、アフリカ大陸・北東部の“エチオピア”と、アラビア半島・南西の“イエメン共和国”、紅海を挟んで向き合うこの2つの国で栽培されています。実はこの2国、コーヒーの起源と深く関わっています。コーヒーの原産地とされているのがアビシニア(現・エチオピア)です。アラビア(現・イエメン)を原産地とする説もあるようですが、アビシニアからアラビアに渡ったコーヒーを、飲用するものとして広め伝播を押し進めたのがアラビア人、とされています。 コーヒーの名前は生産国の名や地域名、または出荷港の名にちなんで付けられますが、この「モカ」の場合は後者で、イエメンの港町、コーヒー豆を積み出していた“モカ”の港に由来します。このモカ港からオランダの商船にコーヒー豆を販売したことが、定期的にヨーロッパからコーヒーを買い付けにくる発端になったと言われています。 その後、ヨーロッパ各地でコーヒーの飲用が広まるにつれ、モカ港では商船の出入りが頻繁になり、イエメンが当時のコーヒー市場をほぼ独占している状態になりました。モカの町にはコーヒー商館やコーヒーによって財を成した商人たちの邸宅が建ち並んだと言いますから、その眺めはさぞ豪華だったことでしょう。そうして、エチオピア、イエメンで収穫されるコーヒーはすべて、「モカ」の愛称で呼ばれるようになったのです。 やがて、持ち出されたモカの豆が植民地で栽培されるようになると、コーヒーの生産量も拡大し比較的安価になったコーヒーは一般の人々にも手の届く飲み物になりました。それでもモカは元祖プレミアムコーヒーとして高値で取り引きされていたそうです。しかし、あれほど隆盛を極めたモカの町は次第に衰退し、さらにおいうちをかけるように、商人の声が飛び交い商船が賑った港も、海からの土砂に埋め立てられその機能までも失ってしまいました。現在は小さな漁村となったモカ。港だった場所には商館の跡が残るのみですが、コーヒーの広がりとともに「モカ」の名は世界中に行き渡り、当時コーヒーの都として栄えた港町の繁栄ぶりを今に伝えています。 多くの生産国にとって、コーヒーは外貨獲得のための重要かつ貴重な輸出品なので、国内消費にはほとんどまわりません。しかしエチオピアでは、飲み終わった後のカップをふせ、流れたコーヒーの模様で占いをする習慣があるため、生活の中で日々コーヒーが飲まれています。ある地域では、毎日「カリオモン」 と呼ばれる伝統的なコーヒー・セレモニーでコーヒーをいれます。ゲストの目の前で生豆を洗い、欠点のある豆、汚れた豆を取り除いてから深めに焙煎して、すり鉢状の容器で突きながらごく細かく粉砕します。ポットに水と粉状になったコーヒーをいれて、煮出した液体をカップに注いで飲むのです。1~2時間ほどかけて、近所や親戚の人たちと世間話をしながらゆったりと味わうのだとか。 かたやイエメン国内では、コーヒーはほとんど飲用されていないようです。その代わりに、コーヒーの実から豆を取り出した後の皮を乾燥させた「ギシル」と呼ばれるものを煎じて、ショウガの粉少々とたっぷりの砂糖で味付けして飲んでいます。また軽い興奮作用がある「カート」と呼ばれる葉っぱを噛む習慣があり、友人や親戚の家ではカートでのもてなしがイエメンの社交の中心となっているそう。コーヒーを楽しむ事が少ないわけですから、街中には喫茶店などもまず見当たらない、というわけです。 「モカ」といっても産地によって様々な豆があります。そして等級があるのです。エチオピアには東部のハラー州、南部のシダモ地方などいくつか有名な産地がありますが、ハラー州の州都ハラー近郊で生産されるコーヒーは「モカ・ハラー」と呼ばれ、その独特の香りと味が日本の市場でも高く評価されています。(クオリティーは高く無いのが世界的な評価です。)反対にイルガチェフェ地区Konga産のコーヒーは、世界的に脚光をあび、評価も高いコーヒーとなっております。 また、イエメン・サナア州で収穫される「モカ・マタリG-9」は日本では人気の高いコーヒーのブランドとして名を馳せています。が、現状はアンモニア臭が鼻につき、また、ボロボロの豆であり、品質は決して高くはありません。日本人はたくあんや納豆等の発酵食品を食べる習慣がある為、アンモニア臭もあまり気にならない人も多いのではないでしょうか。好き・嫌いは別にして、アンモニア臭はコーヒーにはあってはいけないもの。輸出規格最高級と言われるモカ・マタリG-9では本来の香味の期待は出来ません。本来の香味をお伝えする為には、それらの豆を厳選した「アールマッカ」以外は選択の余地が無いのが現状となっております。無論価格も跳ね上がります。
by horoniga-com
| 2004-07-26 01:50
| マスターのつぶやき
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